魅かれる事について。

魅かれる事について。

 

様々な人と会話していて思う事があったので、少し真面目に書いてみる。

 

さてさて、非常に唐突な話だが

おおまかに言うとこのアイテムに
当店が大切にしている事が可視化されている。

 

パープルよりのピンク。一般的に好みがわかれる個性的なカラー。

このカラーは履こうと思えないが
ブラックやブラウンだとまだイメージがしやすい。

そう考える方は多いはずだ。

では何故、多くの人が興味を持ちにくいであろうこのカラーが製作されているのだろうか。


私の勝手な解釈だが
このカラーは、よりデザイナーが表現したかった世界観なのかもしれない。
(もちろん他のカラーも同等に表現したかった事でもあると思うが)

いわゆるブラックなどのベーシック色の中に、このカラーを製作する意味。モノが溢れた時代だからこそ余計に、その意味を考えるのも販売員の仕事だと思う。

 

意味を考えると
ニーズがあるか、ないか。も重要な要素になる。

端的に言うと個性が強いモノはニーズが少ない。
(知名度があるブランドや、流行として取り上げられた場合などは例外だ。)

かといって、ニーズに沿った商品構成だけでいくと
ブランドが表現したい事や、セレクトショップの個性がグッと軽減されそうな気がする。


一般的にはニーズが増える事で
SNS上などでコーディネートの手本が増え便利になったり
そのブランドで購入しなくても、低価格で似たモノを探しやすくなる。


個人的には、ファッションが個性を体現していた時代は終わり
共感を求める(考える労力を減らす)モノとなっていると感じている。

爆発的な高騰がうまれるほど、こぞってひとつのアイテムを求めたり
似たモノが、短期間で至る所で販売される事がそれを表している。

SNSで人気がわかりやすく、タグをクリックすれば価格もブランドも把握できる。それで納得がいけばすぐに購入ができる。
しっくりこなければ検索をかけ、メルカリなどで安く購入ができたり
似たデザインのモノを購入できる。

めちゃくちゃ便利だ、ほんとに。必要な事に最短でたどり着ける。

 

 

 

当店をご存じの方はわかると思うが当店は
一見すると共通性(統一感)を感じにくい商品で溢れている。

・国内外のメンズ、レディースの洋服、靴、小物。

・別注やオーダーの、ブロックプリントの洋服。

・アメリカやヨーロッパのVintage、USED古着。

・海外製作のオリジナルの洋服。

・民族のシルバーアクセサリー、Vintageのシルバーリング。

・オリジナルや別注製作の水牛アクセサリー、特別製作の天然石のアクセサリー、特別製作のシルバーのネックレス。

・作家の器、Fatlavaや諸外国のVIntageFlowerbase。

・作家の和紙を用いた絵画。


その他にも、これまで本当に
様々なジャンルのPOPUPを開催してきた。

 ヨーロッパのvintage ポスターだけを集めたPOPUP (2014年)
当時の紙質、フォント、インク全てカッコ良かった。

 

わかりやすく可視化された共通性、統一感はないが
軸には私やパートナーが、これまで其々に感じ取った事が反映されている。

”自分たちが良いと感じる基準、それを超えたモノを取り扱う”

シンプルなその考えが、ジャンルレスになっている当店ラインナップの共通項だ。

尖ってもいないし、自分たちを特別だと考えているわけでもない
ただ単純に、これまで自分たちが楽しさや説得力を感じたものだからこそ、自身をもって提案出来る。

流行のモノを伝えるのは、私たちよりも優れた方が多数いらっしゃるし
興味が持てるもの以外には自信をもってオススメが出来ない。
もちろん流行に否定的でもないし、興味があれば流行でも伝える。

ちゃんと色んなモノに、その都度目を通しているので
場合によって流行前や、直後から把握しているモノもある
全てを網羅しているとはいえないが、基本的に流行の元となった事も調べている。
流行には興味がないと軽視するのではなく、偏りなくちゃんと自分たちの基準で判断するためだ。


長くなったが、今回紹介したこのシューズのブランドISHMMから
新作のローファーが先日届いた。

 

アイテムを取り扱いをする。という事は
ブランド(デザイナー、作家)の表現したい事を感じ取る事も大切で
本質的にも、そのブランドのどこかに魅かれているわけだが

このローファーの誕生前、約2年くらい遡るが
2、3時間ほどデザイナーとじっくりと話し込んだ事がある。

その時の会話や気持ちが反映されているような、完成度が高いシューズ。
時代や流行で変化する価値観、そういったモノとは違った軸にある

洋服屋のオーナーであり販売員、洋服好き。
そんな一人の男の欲を満たしてくれる1足。

新たなモノを生み出す。とは
アイデア、イメージなどを絞り出す事に似ているようで
実際には絞り出すような力技ではなく、力とは真逆の脱力。

何ていうのか、作り手本人が向き合う「静寂」なのかなと思う事がある。

思いを込める、そう意識すると力が入る事が多いが
静かに淡々と思いが込められ、静かに完成する。

熱量は含まれているが、完成された静かなモノ。

そんなローファーが完成したと思う。

このローファーに関してはオンライン、インスタで紹介をさせてもらう。

「安易に、シンプルなシューズ。で終わらせたくないな。」

そんな風に、共感してくれる方がいると嬉しい。

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